シリーズ「アイドルと結婚できる職業」
第２３回 美容師・ヘアメイクアーティスト・スタイリスト
■アイドルの近くで働く楽しいお仕事
昭和の時代、アイドルにとって重要な要素である“見た目”の部分を司る、美容師、ヘアメイクアーティスト、スタイリストといった類の職業はあくまで裏方だった。雑誌『明星』（集英社）や『平凡』（平凡社：現マガジンハウス）に掲載されるアイドルのバックステージショットなどに顔を出すことはあっても、その人物が大きくクローズアップされることは特段なく、アイドルと結婚するといったことももちろん皆無に近かった。
では、これらが“アイドルと結婚できる職業”となったのは、いつ頃からなのだろうか？
それはおそらく、２０世紀の終わり頃ではないだろうか。その象徴的な出来事が、９９年にスタートしたフジテレビ系の深夜番組『シザーズリーグ』をきっかけに起きた、“カリスマ美容師ブーム”である。同番組には都内人気サロンの美容師たちがズラリと登場。ブームによって憧れの職業として美容師のステータスが大きく格上げされた。また、同時期に“カリスマスタイリスト”といったワードもメディアで目に、耳にするようになった。
