今号の表紙やグラビアだけでなく、インタビューにもご登場の西村知美さん。アイドル歌手としてデビューした彼女が当時を振り返り、今だから話せる出来事や人生2回目となる聖火ランナーに関する秘話を告白!
――2020年東京五輪の聖火ランナーに選ばれたんですね。
西村 はい、本当にうれしいです。山口県の聖火リレーのランナーですね。私は山口県宇部市出身なんです。
――聖火ランナーなんて、人生で一度あるかないかの大ごとですよね?
西村 いえ、実は人生で2回目なんです。1994年のリレハンメル冬季オリンピックで、私は日本代表として聖火ランナーに選ばれているんです(笑)。
――えっ、そうだったんですか。すごいですね!
西村 いえいえ。そのときは、元タレントの上岡龍太郎さんと石原良純さん、私の3人が日本代表だったんです。
――意外な組み合わせですね。どこを走ったんですか。
西村 スキーのジャンプ台の横を通る山道を走って登っていくんです。
――それは大変でしたね。
西村 はい。でも、走っている目の前に中継車があって、この映像が世界に流れるんだ、と思うとうれしかったです。前日には上岡さんが「朝6時に集合して、練習するぞ」とおっしゃって。
――おおっ。気合いが入っていますね。
西村 でも、それは上岡さんの冗談だったんです。宿泊していたホテルの部屋を出て、朝6時に集合場所に行っても誰もいなくて。置いて行かれたのだと思って、私も大急ぎで走り始めたんです。そうしたら、途中で道に迷ってしまって、ホテルも見えなくなっちゃって。
――あせっちゃいますよね。
西村 あたりはまさに雪一色の世界で……しかも海外ですから“もう、どうしよう”って思って。とりあえず民家が見えたので、とにかくピンポンしたんです。私、英語が少ししか話せないんですけど、そもそもノルウェーだから英語が通じなくて。でも、家からはおばあちゃんが出て来られて、言葉は通じないものの、私がホテルを探していることは分かってくれたんです。
――それは助かりましたね。
西村 さっそく、持っていたホテルの部屋キーを見せたら、部屋番号しか書いていない! さすがに、おばあちゃんもどこのホテルなのか分からないみたいで。
――一難去ってまた一難。それで、どうしたんですか。
西村 ちょうどそのとき、民家の前の道を車が走っていたので、私はまさにドラマ『101回目のプロポーズ』の武田鉄矢さんばりに、車の前に立ちはだかって車を停めていただいたんです。
――危ないことしますね〜。
西村 それだけ必死でしたね。幸い運転手の方が“私が通っているジムがあるホテルだと思うから”と車で送っていただいたら、ドンピシャだったんです。
――無事にホテルまで戻れてよかったですね。今となっては良い思い出だと思いますが、2回目となる今回の意気込みをお願いします。
西村 今回は地元なので、安心して走れますから、走らせていただけることに感謝しながら、皆さんに笑顔を届けられたらいいなって思います。