■岡本和真と丸佳浩も

 坂本に9本及ばなかったが、31本塁打を放ったのが巨人の“若き4番”岡本和真(23)だ。「一昨年に33本を放って頭角を現しましたが、昨年は各球団のマークも厳しくなり、苦労しました。ただ、2年目も30本の大台に乗せてきた。これは“本物”である証拠でしょう」(野球解説者の関本四十四氏)

 岡本の一番のウリは、パワーにある。「右打者で右方向に流すのではなく、強い球を打てるのはスラッガーの証拠だけど、岡本にはそれができる」(セ球団スコアラー)

 右方向への強い打球が打てるのは、長嶋茂雄終身名誉監督が理想とするバッター像でもある。「昨季はアウトコースに逃げるスライダーに手を出して空振りすることが多かったが(三振はチーム最多の132個)、左足を少し開いて構えていたのを左右平行のスタンスにしたため、それが改善した」(前同)

 オープン戦でも、打率3割台、3本塁打と好調を維持している。囲み取材では、「予定通り20日に開幕したかった」と口にしたが、これは本音だろう。「昨季はレフト、一塁、三塁とたらい回し状態だった守備位置も、今季は三塁に固定すると原辰徳監督は明言しています。これで、さらに打撃に専念できる。岡本なら40本超えも可能でしょう」(同)

 原監督も「ビッグベイビー」を改め、「若大将」と命名して期待している。

 岡本同様、本塁打王のチャンスがあるのが、FA移籍して27本塁打を打った丸佳浩(30)だ。「昨季はグリップを上下に動かす“ヒッチ”でタイミングを取っていましたが、今季はヒッチを少なくしたため、ミート率が上がった。本塁打を量産する可能性もありますよ」(同)

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