■「健康寿命を考え危険排除をするのがポイント」
大物芸能人も行っている“ミニマル化生活”のポイントを終活カウンセラー協会の担当者に聞いた。まずは、物を減らして豊かに暮らすために必要なことだ。
「生きているうちに死後のことを考えて身辺や財産の整理をすると、さまざまなリスクに対応できます。たとえば、転倒のリスクです。65歳以上の事故発生場所でみると約80%は自宅です。また、住宅事故の原因として最も多いのは転落、転倒で50%以上です。人生100年時代の今、健康寿命を考え危険排除をするのが整理のポイントと言えます」
怪我のリスクをさけるためにも必要な整理。それではどこから、手をつければ良いのか。
「まずは自宅の生活動線を確認しましょう。外から帰り、リビングへ向かう時、電化製品のコードが散らかっていたり、家具を動かさないといけない、避けて通らないといけない場所はないですか? コンセントの位置を再検討し、家具の定位置を決めましょう。また散らかしがちな新聞広告や雑誌類も、誤って踏むと滑ってしまいます。こういったことが骨折や寝たきりといったリスクを減らせ、健康寿命を延ばす事に繋がります」(前同)
物を整理するタイミングによって、金額面でも大きな差がつく場合もあるという。
「物を減らすことの中に、亡くなってから整理する遺品整理と、生前のうちに対応できる生前整理があります。遺品整理は一般的には部屋の間取りによって違います。1Kなら3万円から10万円、1DKないしは2Kなら6万円から15万円。2LDK以上なら8万円から25万円です。同じ間取りでも差があるのは、遺品回収物の量や種類によって異なります。また、量別でトラック費用などの運搬費が変わります。
生前整理の場合は、大型家具のタンスなどでも粗大ごみとして1000円前後で捨てることも可能です。また、不要な物も事前に捨てることやフリマなどに活用できる場合もあります。普段から不必要な物を片付けておくことで遺品整理のようにまとまった費用が必要にならないのでお得です」(同)
普段から意識して物を整理することで自身の健康寿命や亡くなった後の遺品整理の金額も変わってくる。日頃の生活で少しずつ整理してみるのはいかがだろうか。