■「年配にウケるネタは若い世代にも通用する」

「2016年8月には、若手時代の舞台の話、さらに2006年から続けてきた舞台『志村魂』について触れています。志村さんはとにかく“分かりやすい笑い”を目指していたんです。ただ、志村さんも若い頃には“若い人だけが笑えばいいや”と思っていたこともあったといいます。

 ところがあるとき、三波春夫さんの前座をやったら、おじいちゃん、おばあちゃんばかりで全然ウケなかった。それどころか舞台を一瞥もしてくれない。お客さんにとってみたら“あんたらを見に来たワケじゃない”というように弁当を食ベていたといいます。志村さんはその日の夜、旅館でネタを練り直して、“おとめさん”という年配の方々にも刺さるようなネタを翌日やったら、しっかりウケたというからさすがです」(芸能記者)

 志村さんは“おとめさん”について、「昔からあるお芝居なんだけど、股に手を入れたりするネタなんだけどね。もう下品とか下ネタとか言っている場合じゃないんだよ、とにかくウケたいから。で、これを今度は若い客の前でやったら、またウケたんだよな。要は、年配の方の前でウケるネタは若い世代にも通用するんだよ」と、分かりやすいネタは世代を問わずにウケると語っている。

「舞台『志村魂』も分かりやすいことが大事で、いろんな年代の人に来てもらうことを狙っていたといいます。また、舞台のチケットもリーズナブルで、志村さんは“1人1万円以上もする舞台なんて、家族4人で観に来られないよ。交通費をかけて来て、みんなで飯でも食ったら、いくらかかるんだよ。それは大衆演劇ではないだろ”と、金額にもこだわりがあったと話していました」(前同)

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