■共演者を笑わすワケ
稽古時間が短いことについて、志村さんは「チームワークがしっかりしていれば大丈夫なんだよ」と話している。
また、「個人プレーなんてたかが知れているんだよ。俺なんて自信を持って言える。1人じゃ何もできない。音響さんや照明さんなどのスタッフや共演者の力が合わさって、ようやく舞台ができあがるんだよ」と、共演者やスタッフの力があってようやく舞台ができあがると、思いを明かしていた。
お笑い関係者はこう話す。
「志村さんは稽古でもアドリブを連発していたといいます。それは“まず共演者を笑わせないことにはお客さんも笑わせられないから”という考えから。ただ、稽古でいつも同じセリフでは飽きてしまう、共演者も飽きてしまうためアドリブを入れていたといいます。お客さんはもとより、稽古の場にいる人も楽しませたいという思いがあったのではないでしょうか」
2018年8月、志村さんはスタッフとの関係性についても「昔からスタッフを笑わせてやりたいんだよ。スタッフなんて、稽古を見ないで、ずっと台本とにらめっこしているんだぜ。セリフが間違っていないかどうか確認しているんだよ。だったら、台本に書いていないことを言って、ビックリさせてやろうってな」と、常にエンターテインメント精神を持って稽古に臨んでいたと語っている。
「さらに“演じている人間が緊張していると、それがお客さんにも伝わっちゃう”と考え、自分から舞台を楽しもうとしていたと、秘訣を明かしていました。2019年8月、志村さんは“稽古も本番もそうだけど、舞台に立っている俺たちが楽しんでないと、お客さんも楽しい気分になれない”、“俺たちが心底、楽しそうにやっていれば、お客さんも『あの輪の中に自分も入りたい』と思ってくれる”と話しています。
自分たちが楽しむことがお客さんを楽しませることになるという“お客ファースト”の精神はここでも伝わってきますし、だからこそ共演者やスタッフとのチームワークが大事になってくると考えていたようです」(前出の芸能記者)
幅広い世代、そして共演者やスタッフも楽しませたいという思いから、志村さんの笑いは作られていったのだろうーー。