2017年、山岸聖太が乃木坂46の映像作品に携わるようになって5年目に、彼は初めてグループのシングル表題曲のMVの監督を務める。それが18枚目シングル『逃げ水』だった。この年から2年連続で「日本レコード大賞」の大賞を獲得する乃木坂46は、この時期すでに日本で最もポピュラーなグループのひとつになっていた。そのアーティストのシングル表題曲MVを手掛けるにあたって、山岸はとりたてて最大公約数的な表現へと軌道修正することもなく、これまでと同様のスタンスで不条理な世界を生きる住人たちを生み出してゆく。


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