バナー題字・イラスト/寺田克也
沖縄県那覇市で、2014年から「reversal GYM OKINAWA CROSS×LINE」を運営しているパンクラス軽量級のパイオニア・砂辺光久。3階級の王座を獲得し、昨年7月には同団体初の殿堂入りも果たした砂辺は、沖縄の格闘技シーンを盛り上げてきた1人でもある。その砂辺は、今の状況をどう見て、どのように乗り越えようとしているのだろうか。
「那覇の国際通り(みやげ店が立ち並ぶ目抜き通り)を車で走っても、今はほぼほぼ人がいないですね。観光客自体が減ってますし、お店の側でも観光客相手の接客を警戒して、店を閉めているところが多いです」(砂辺。以下同)
那覇は東京から1500km以上、鹿児島からでも660km(東京-広島間とほぼ同じ)離れている。2月中旬に初めて確認された感染者がクルーズ船の関係者だったこともあって、沖縄では新型コロナウイルスが「もともと沖縄にはなかったもの」「外から持ち込まれたもの」という認識がより強いという。観光産業が地域経済の大きな割合を占めてきただけに、これは複雑な事態だ。
「帰省してきた人、旅行に来た人が持ち込んだというイメージがあるのは確かで、知人が帰省しようと思っていると聞くと、どうしても『ホントに大丈夫なのか?』と思ってしまいますよね。
また、『沖縄は大丈夫だろう』と逃げてくる人がいるんですよ。離島にもそう思って来る人がいる。でもその人がウイルスを持っていて、石垣島でも感染者が出たりしていますよね。だから県知事も沖縄への渡航を控えるよう呼びかけています。
特に怖いのは飲食業の人たちですよね。夜の繁華街もすごく人が少なくなっているらしいですが、マスクして接客することもできず、みんな怖がっています。でも生活もあるし、難しいところですよね。
ジムのスポンサーさんにも飲食業のオーナーさんがいて、今は3店舗のうち換気が一番いい1店舗だけを、デリバリーをメインにして開けています。ジム会員のLINEグループでもそのお店の情報を流して、協力できるようにはしています」