のん
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 連続テレビ小説エール』(NHK)が、いよいよ調子を上げてきた。5月7日の放送は平均視聴率(世帯)が21.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、番組の最高をマーク。5月8日もさほど落ちずに21.0%を記録し、盤石の態勢となった。

 主人公の裕一(窪田正孝/31)が作曲家となるべく東京にやってきて音(二階堂ふみ/25)と暮らし始めるなど、物語は転換点を迎えたが、視聴者はストーリー以外のポイントにも注目しているようだ。まずは5月8日の放送を振り返ってみよう。

 苦悩の末、裕一は作曲家になることを決意し、家族を捨てて上京。契約を交わすべくレコード会社、コロンブスレコードを訪れた裕一はディレクターの廿日市(古田新太/54)と出会い、作曲家としての生活をスタートさせる。その後、裕一と音は家のそばにある喫茶店「バンブー」を訪れて……という展開だった。

 裕一が人生を賭けて上京した回だけに、シリアスなシーンも多かったが、ネットでは裕一を演じる窪田の切ない演技よりも、話題となった事柄がある。それが『エール』からにじみ出る『あまちゃん』感だ。

 ここ最近、ツイッターには「すっかり空気があまちゃん色に」「私はあまちゃんを見ているのか」というようなコメントが連発された。2013年上半期、のん(26)主演で大ヒットした朝ドラ『あまちゃん』を思い出す人が続出しているのだ。というのも、5月8日の放送にも登場した古田新太演じるディレクターの廿日市が、もうあの人そっくり。そう、『あまちゃん』で自身がプロデュースするアイドルたちをいびりまくった、音楽プロダクション社長の荒巻太一にしか見えないのだ。

「太巻」のあだ名で物語を引っ張った荒巻は古田新太のハマり役でもあったが、いやみったらしい口調の廿日市はこの太巻に激似。『あまちゃん』の太巻はAKBグループの仕掛け人、秋元康(62)がモデルだったのでビジュアルこそ違うが、主人公を小馬鹿にする様子は、まさに太巻そのものだ。今後も古田新太演じる廿日市が裕一をいたぶる姿に、注目が集まることは確実だろう。

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