■第3位:母の死に流した涙

 2018年のNHK連続テレビ小説半分、青い。』では、“ナイーブな秀才・律くん”として人気を博した佐藤。物語終盤132話の“母(原田知世)との別れ”は、多くの視聴者を涙を呼んだ。

「余命いくばくもない母親・和子に、対面せずに会話できる電話の様な装置“岐阜犬”を利用して、“弱虫の息子でごめん”“あなたの息子で本当に本当に良かった。大好きだ”と本音を吐露する名場面です。律は母を“和子さん”と呼んでいたんですが、この時だけは“お母さん”と呼びかけました。この際の、母親の優しい言葉に耐えられなくなった律の、嗚咽交じりの“お母さん”は、本当に泣けます」

 同年8月放送の『うたコン』(NHK)で佐藤はこのシーンを振り返り、

「ちょっと僕、台本も読めなかったですね、悲しすぎて」「笑えば笑うほど、あのシーンは悲しかったですね」 

 と、佐藤本人も泣けたことを明かしている。

■第2位:親と妻、両方への涙を見せた作品

 2015年の『天皇の料理番』(TBS系)で、佐藤は明治末期に実在した料理人、秋山篤蔵を演じた。優秀だったが不治の病に侵された兄・周太郎(鈴木亮平)が亡くなる第9話が、大いに評判を呼んだという。

「天皇の料理番・厨司長に任命された篤蔵は、即位式典の晩餐会に向けて大忙し。相次ぐアクシデントにもめげず、無事晩餐会を成功させます。以前、周太郎から“お前の夢を一緒に追いかけかせて欲しいと思った。俺に誇りを与えて欲しい”と手紙をもらった篤蔵は晩餐会の翌朝“兄やん、わし、ちゃんとできてましたか?あなたの誇りになれてましたか?”と、涙ながらにつぶやく。こちらが1つ目」

 もう1つは、同話で兄の死を知った周太郎が、東京で偶然再会した、元妻の俊子(黒木華)に、再びプロポーズをするシーン。

「俊子に“篤蔵さんより長生きします。ほやから安堵してください”と、復縁を受け入れられた篤蔵が、俊子に背を向けて、こみ上げる気持ちを抑えきれずに泣きじゃくる篤蔵の姿は、本当に泣けます。“家族への涙”と“妻への涙”のダブルパンチに堪えられなかった視聴者が相次ぎましたね」

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