志尊淳・芳根京子
志尊淳・芳根京子

 コロナの影響で撮影が遅れている新作ドラマの代わりに、過去の名作が再放送されているケースが多い。『野ブタ。をプロデュース』(日本ドラマ系)もそのひとつ。実は、リアルタイムで見ていた頃以上に楽しんでいる。学園ドラマは生徒役に「これからの才能」が集まるので見応えがあり、時がたってから「あの俳優もこんな時期があったのか」と見返す楽しみもある。出演俳優の多くが主役級にすくすく育ったドラマなら、なおさらだ。

 この「俳優がすくすく育ったドラマ」で私が忘れられないのが、2015年放送のドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系)、略して『オモコー』だ。合唱を通して、さまざまな問題や葛藤を明るく解決していくのが、本当にすがすがしかった。THE BLUE HEARTSの『TRAIN-TRAIN』や一青窈の『ハナミズキ』など、大ヒット曲の合唱アレンジに乗せ、いじめや恋愛、親の離婚などヘビーな問題を良い意味でいかにも「ドラマ」らしく解決し、毎回、幸せな気分で見ることができた。

 合唱部員キャストの多くは、その後、順調に実力を発揮。主役を演じた芳根京子(23)は連続テレビ小説べっぴんさん』(NHK)のヒロインに抜擢。志尊淳(25)は『半分、青い。』、泉澤祐希(26)は『ひよっこ』、堀井新太(27)は大河ドラマ西郷どん』と、NHK抜擢率が高い。森川葵(24)や高杉真宙(23)も主役レベルで、今では映画や舞台に引っ張りだこである。このメンバーが全員でハモッていたのだなあ、と思うと本当に感慨深い。

 特筆すべきは夏目快人役を演じていた志尊淳。このドラマの後は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で女装をし、『女子的生活』ではトランスジェンダーのみき役、『半分、青い』ではゲイのボクテを好演。映画『帝一の國』も中性的な魅力を発揮するなど、性別を超えた、唯一無二のポジションを確立していく。『オモコー』では優等生で心臓病を患っているという設定はあったにしろ、ヒロインに振り回される快人役は、まさに彼が独特な個性を発揮する直前の「等身大の男子学生」を演じた、貴重な姿が見られるのだ。

■永野芽郁と唐田えりかも出演

『オモコー』の視聴率は、平均で5.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と低めでありながら、満足度は非常に高いことでも話題になった。現在、AmazonプライムビデオとHuluで全話無料配信中なので、見逃していた方は、この機会にぜひ! 意外なシーンでブレイク前の永野芽郁(20)や唐田えりか(22)も出演しているので、探してみるのも楽しいだろう。

 個人的には有明ティーチャー(城田優/34)とえみり先生(神田沙也加/33)、部長(泉澤祐希)とミコ(萩原みのり/23)、この2コンビ(あえてカップルとは言わないでおこう)の行く末がいまだに気になっている。そして、その後の合唱部を描いた「表参道高校合唱部!SP」の制作を5年間待ち続けている。キャストの多くが売れっ子になってしまった今となっては、スケジュール的に叶わぬ夢だろうか……ぜひ、ぜひ作ってほしい。(田中稲)

あわせて読む:
・志尊淳、飲食店でまさかのハプニング「それはつらい」「悲しみの極み」
・ジェジュンが「山下智久」「城田優」「Matt」に嫉妬⁉豪華交友録の“秘訣”を告白!
・芳根京子、ショートにイメチェンが好評「地上で一番かわいい」