■これまでのビジネスモデルが崩壊……

「たしかにコロナ禍において、最も窮地にあると考えられているのは飲食業界。それに、俳優はお金を持っているというイメージも持たれがちです。そのため猛バッシングが起こってしまったのでしょう。ただ、お金を持っているのは一部の俳優のみで、そうじゃない人のほうが多いですし、そういった人はアルバイトをかけ持ちして役者活動と両立させていたんです。

 ところが、舞台の仕事もなくなり、生活を支えるアルバイトもできなくなった。このような状況からこの5月、6月で、俳優を廃業するという決断をする人も多数出てくると見られています。それは俳優業界のみならず、芸能・エンタメ業界全般に言えます」(前出の芸能プロ関係者)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、映画配給大手12社の4月の興行収入総額は前年同月比96.3%減の6億8824万円だったという。

 また2月以降、多くのコンサートや舞台が延期や中止を発表。5月15日と16日に東京・国立競技場で開催が予定されていたのコンサート『アラフェス2020 at 国立競技場』も、新型コロナウイルスの影響で延期が発表されている。

「ドームや国立競技場といった、大規模会場での公演を予定していた大手芸能プロほどそのダメージは大きいんです。大きな会場で公演して稼ぐという、ある種、自転車操業的なビジネスモデルでお金を回してきました。ところが一度、公演が止まれば、資金の供給が断たれ、それが続くと、払うべきところにも払えない。そうして、コンサートやイベントにかかわる業種で働く人々、すべてに大きな影響が出ているんです。

 音楽業界ではここ数年CDが売れなくなり、現在ではコンサートのチケット代や、会場で販売するグッズなどの物販、そしてアイドルグループなどでは、チェキや握手券などでの稼ぎが大きかった。ところが、コンサートやイベントを行うことができないため、そのビジネスモデルも崩壊の危機に直面しています」(前同)

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