長嶋茂雄、王貞治…プロ野球スターが本誌に語った「ホームラン級名言」の画像
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 昭和33年の創刊以来、週刊大衆はプロ野球とともにあった。一流選手たちが誌面に残した“金言”を一挙蔵出し!

 球界の至宝が本誌インタビューで語った名言集。まずは、1964年4月23日号に掲載された、王貞治から。64年は、55本のホームランを打ち、最多本塁打数(52本)を更新するシーズンだ。「ホームランかっ飛ばした時の気持ちは?」と問われると、キャンプで日焼けした顔に白い歯を見せて、ニッコリ笑った。「スカーッとして爽快だねえ。何もかも忘れちまう」

 一方、「スランプで何かに頼りたくなるか?」と聞かれると、修羅場を知る勝負師は取りつく島もないほど、ぶっきらぼうに言った。「頼るものなどないですね。ボクらは自分だけが頼りなんです」

 続けて「勝負の世界に武士の情けがあるとしたら?」と問われるや、太い眉を上げ、キッと見つめた。「勝負の世界に武士の情けなんてないね。…そう、試合が終わってからなら、別だけど」

 王は66年3月24日号に再び登場。この年、恭子夫人と結婚することが決まっていた王に、インタビュアーを務める作家で僧侶の寺内大吉氏が「彼女には電話してる?」と直球質問。「ええ、毎日…。女の人は寂しがり屋だから。男なら離れていても平気だけど、女は、そうはいかんです」 宮崎でのキャンプ中は毎日電話をして、電話代は10万円を超えたとか。

 最後に寺内氏が「王ちゃんも大リーグでやってみたいだろうね」と問うと、「そりゃ、やってみたいですね。最高でしょう。(中略)日本での成績は出ないだろうけどそれはかまわないと思うんです。…どこまでやれるか。魅力ありますね」

 実は、前掲の64年のインタビューで「どんな打者が目標か」と聞かれ、「ボクの場合はベーブ・ルースよりも(ルー・)ゲーリックですね」と回答。当時の王が、すでに海を越えて、野球の本場・アメリカを意識していたことが分かる。

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