追悼・ジョージ秋山「人間は脳が弱い。脳に頼らないほうが僕はいいと思う」の画像
ジョージ秋山 写真/弦巻勝

 2020年6月1日、漫画家のジョージ秋山さんが、5月12日に逝去していたことが報じられた。享年77。ジョージさんは『アシュラ』、『銭ゲバ』、『浮浪雲』といった数々の名作を生み出し、その独特の哲学は唯一無二の魅力にあふれていた。『週刊大衆』では、2010年にグラビア連載「人間力」に登場。そのインタビューをここに再掲する。謹んで哀悼の意を表します。

  子どものときから、頑張ってやるんだっていう、そういう気持ちはなかったね。いまだにないもんね。

 一生懸命だの、頑張るだのね、命懸けだの、ないよ。マンガ描くのに、苦労して泣く泣く、なんて奴はだめだ。まあ、マンガ描くしか能がねぇからマンガ描いてる。一時期、週刊誌6誌で連載して、〆切が1日2つってのもあったからね。パカッとひらめきだよ。考えてたら、間に合わないんだよ。考えつかなくっても、描いてしまわないと。描き出すと、2ページ目描かざるをえないからね。

『浮浪雲』もそうですよ、1ページ目、主人公が歩いてるでしょ? 誰かに行き会うんだよ。そっから始まってくんだ。それを僕が追っていくんだな。記録してるんだよな。

 ほんで終わった瞬間に次のをね、そうしないと間に合わないの。

 土日は仕事しないし、徹夜もしたことないからね。寝なきゃ無理だよ。ぼーっとして、使いものになんない。

 だからね、僕はただのなまけものかもしれない(笑)。

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