■脳卒中や心筋梗塞は

 2番目に死亡率が高いのは、脳卒中(脳出血や脳梗塞)や心筋梗塞などを引き起こす血管障害だ。これを予防するツボもある。「爪のつけ根の両側にある《井穴》は、特に脳卒中や心筋梗塞の予防になるとされています。また、血管を強化して心臓の働きを助けるツボは、足の裏に集中しているんですね。ツボでいえば《湧泉》などですが、足の裏には効果があるスポットが多いので、デスクワークをしているときに、足の裏でゴルフボールなどを転がすだけで、血管や心臓の強化ができます」(平地氏)

 血管障害が起こる原因とされるのが、高血圧と高血糖(糖尿病)だ。これらを改善させるツボもある。「高血圧を抑制するのが、《風池》です。このツボを刺激すると、抗ストレスホルモン(オキシトシン)の分泌が促され、自律神経のバランスが整います。これで副交感神経の働きが高まって、血圧も改善に向かうんですね。風池の刺激に腹式呼吸をプラスすると、さらに効果があがります」

 こう話す高橋医師から、実際に風池を中心とした鍼灸治療を受けた患者も。「Wさんという40代の女性患者ですが、治療前に上の血圧が150〜170あり、血圧降下剤を処方されていたんですが、週1回の治療を受けるようになって血圧が120〜130で安定し、処方薬も半分に減らすことができました」(前同)

 なお、この風池プラス腹式呼吸は、不眠にも効果絶大。背中にあるので押しにくいが、奥さんなどに協力をあおぎ、試してもらいたい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4