「愛の不時着」のヒョンビン
※「愛の不時着」のヒョンビン。写真:Photofest/アフロ

 今、韓国ドラマが空前の大ブームとなっている。その火付け役と言っても過言でないのが、ネットフリックスで配信中の『愛の不時着』だ。ドラマの人気もさることながら、主演を務めたヒョンビン(37)やソン・イェジン(38)にも注目が集まっている。

 そこで韓国エンターテインメント情報誌『韓国TVドラマガイド』(双葉社)のチーフエディターで、韓流スターへのインタビュー経験も多い、編集者の高橋尚子さんに、『愛の不時着』ヒットの要因と、ヒョンビンの知られざる素顔を伺った。

「『愛の不時着』ヒットの最大の理由は、登場人物の魅力と、それにピタリとハマった役者の好演でしょう。なかでも、ヒョンビンが演じた北朝鮮のエリート軍人、リ・ジョンヒョクの圧倒的な存在感が際立っていましたよね。

 もちろん、脚本も圧巻でした! ドラマチックなストーリーに、韓国ドラマの定番ともいえる“足かせ”の切なさ。北朝鮮と韓国という国境を越えた男女の出会いを、異文化ギャップでコミカルに見せつつ、南北の叶わぬ恋(足かせ)という展開に持ち込む妙技が絶妙でした」(高橋さん)

『愛の不時着』は心に残る名台詞の多さでも話題になった。

「台詞の良さはもちろん秀逸な脚本のおかげなのですが、今回はそれに“字幕マジック”という要因も加わっています。日本語のドラマの耳から入ってくる台詞よりも、字幕で視覚として入ってくる言葉の方が、意味が伝わりやすく、倍、心に響くんです。そういうマジックもあって、感動度や共感度がぐっと高まったのでしょう」(高橋さん)

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