■韓流ドラマの再ブーム到来!

 2004年に起こった『冬のソナタ』(KBS)ブーム、その翌年に日本で放送され韓国歴史ドラマ人気の火付け役となった『宮廷女官チャングムの誓い』(MBC)など、日本では韓流ブームが度々起こっている。

「今年に入ってから、また韓流ドラマブームが来ていますね。牽引しているのは、財閥令嬢の乗ったパラグライダーが北朝鮮に不時着して、助けてもらった軍人と恋をする『愛の不時着』(tvN)と、飲食店激戦区で成功を目指す『梨泰院クラス』(JTBC)でしょう。現在、両作品ともNetflixで視聴することができます。

『愛の不時着』は『朝日新聞』の天声人語で取り上げられるなど、メディアでも注目される作品になっています。『梨泰院クラス』は多数の男性芸人が“面白い!”と声を上げています。『愛の不時着』は号泣できる恋愛ドラマなのでどちらかというと女性ファンが多い。『梨泰院クラス』は痛快な復讐劇ですので男性ファンも多くいるという印象でしょうか。とにかく両作品とも、完全にブームと言えるヒットになっていますね」(テレビ誌記者)

 こうした韓流ドラマブームは、韓国のドラマ制作チームの視野の広さにある、と民放キー局関係者は話す。

「アカデミー賞で4冠を達成した映画『パラサイト 半地下の家族』のように、韓国の映画やドラマは、市場規模の小さい自国だけでヒットすれば良いわけではなく、アジアや全世界に“輸出”することを念頭に置いて作られています。最初から世界に買ってもらえるように作られているからこそ、しっかりとお金をかけるところにはかけて、脚本も撮影も素晴らしいハイレベルな作品になり、自国以外でもブームにもなるのだと思います。

 また、韓国で作られたドラマをそのまま海外で放送するだけでなく、2014年に韓国で放送されたドラマ『ミセン』(tvN)のリメイク『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ系)のように、ストーリーや雰囲気はそのままに、人名や舞台を現地のものに変更する、ローカライズ作品もあります。これも、もともと世界標準の作品だからこそできる売り方だと言えるでしょう」(前同)

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