「100歳まで元気な人」「早死にする人」特徴と習慣の画像
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 病気に苦しむことなく、長寿を保つ人々は、どんな生活をしているのか? そこに生涯現役の大きなヒントが!

 人生100年を謳う令和の時代、日本には100歳を超える百寿者が約7万人いるという。こうした長寿者の調査研究を見ると、その生活習慣にいくつかの特徴が浮かび上がる。まず、歯がしっかりと残っていて食欲が旺盛、特にタンパク質の摂取が多いこと。家事や仕事などで体をよく動かし、睡眠の質が高い。また、趣味や生きがいを持ち続け、性格は穏健で小さなことにクヨクヨせず家族関係が円満、などだ。

 どんな生き方や生活習慣を身につければ元気でハツラツとした長生きおジイになれるのか? まずは数理統計学や予防医学の権威である岡田正彦・新潟大学名誉教授(医学博士)に話を聞いた。「まず、体格はBMI値(肥満度を示す指数)で26以内、22以上の人が寿命が長いというデータがあります。太りすぎはダメですが、痩せすぎも免疫力が低下して寿命が短くなるんです」

 長寿者は冒頭のように肉や魚、卵などのタンパク質食材を多く食べているのだが、意外な落とし穴は牛乳などの乳製品だ。「ヘルシーな印象ですが、飲みすぎると逆にコレステロールや中性脂肪の値が急上昇するんです。乳製品の中で唯一、コレステロール値を上げないヨーグルトを食べるようにしましょう」(前同)

 また、肉類の調理法は焼くより煮るほうがいい。「肉類を高温で長時間焼くと発がん物質が出て大腸がんなどのリスクが高まります。私も焼き肉は好きですが、焦げたところは食べないようにしています。ベストな食べ方は100度以下で調理するしゃぶしゃぶや、すき焼きでしょう」(同)

 酒の飲みすぎは肝臓疾患やがんを引き起こすが、日本酒で1合以下、ビールで350ミリリットル缶程度、1日に飲む人は長寿になる傾向が。

 意外なものでは、「テレビを長時間見ている人は早死にしてしまう」というデータだ。「世界中でテレビと寿命の関係を示した研究はいくつもありますが、結果はピタリ一致しているんです。具体的に言うと、1日4時間以上テレビを見ている人は、2時間以内の人に比べ、死亡率は1.46倍高くなります。これはテレビをずっと見ていることで、体が動かないことが原因です」(同)

 管理栄養士の安中千絵氏は、長生きで健康的な食事法について、こう説明する。「食事をとる時間によって栄養の吸収率が変わるんですね。たとえば朝食で、ご飯やトーストを多く食べすぎると、昼食でも血糖値が上がりやすいんです」

 朝はパンやご飯より、卵や大豆などのタンパク質豊富な食材を多めに食べる。また、寝る前の食事は血糖値が上がりやすいので、夕食は就寝3時間前に終える。これが長寿につながる食習慣と考えられる。

 長寿者の聞き取り調査では“お茶をよく飲む”や“季節の野菜や果物をよく食べる”人が多い。「緑茶にはカテキンなどの抗酸化物質(抗老化物質)が多く、ニンジンや小松菜などの緑黄色野菜にもベータカロテンなどの抗酸化物質が多く含まれています。こうした食物を日常的に食べる習慣がある人は老化が抑制され、寿命も長くなるでしょうね」(前同)

 逆に、早死にまっしぐらなのはラーメンや丼物、カレーなどを単品で食べる人。「こうした料理は栄養のバランスが悪く、糖質も多いんですね。栄養バランスがいい定食にしたり、せめて小鉢を一品つけるなどしたほうがいいでしょう」(同)

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