■ガリガリ君「誕生秘話」

 まずはガリガリ君の誕生秘話からです。

 1981年に赤城乳業から発売されているガリガリ君は、倒産寸前の会社を救った立役者であり、今では日本を代表するアイスキャンディーへと成長し続けています。そんなガリガリ君を誕生させるきっかけを作ったのが、1964年から発売され、今でも存在するかき氷系のカップアイス「赤城しぐれ」。

 当時、かき氷は大衆食堂などで庶民に愛されていたもので、カップに入れて販売するというアイデアは非常に画期的であったため、駄菓子屋を中心に人気を集めました。しかし、1970年代に2度発生したオイルショックにより販売価格を引き上げた結果、今までついてきた固定のファンを離脱させるきっかけとなってしまったんです。

「赤城しぐれ」の低迷を受けて赤城乳業では連日、新商品会議が行われました。思い切って値段を上げて商品のサイズを大きくすること、やはりかき氷を使った商品であること、当たりくじをつけること、斬新なネーミング、などなどさまざまな考えがあったそうですが、必死の試行錯誤にもかかわらず、なかなか思うような商品はできなかったといいます。

 そしてついに考え出されたのが、コンビニの消費者ニーズに合わせて、かき氷に棒を刺して片手で食べられるようにしたらどうか、というものであったといいます。バータイプのアイスキャンディーであれば、買ってすぐ手軽に食べられる。歩きながら食べたり、子どもたちが遊びながら食べることもできる。それまで誰も思いつかなかった“バータイプのかき氷”という活路を見出した赤城乳業は、すぐに開発にとりかかりました。そして迎えた1981年、「ガリガリ君」が誕生しました。

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