■半沢潰しの理由が曖昧

 前出のドラマライターは「ん?」と違和感を覚えたシーンを7つ挙げる。

「まず、言っておきたいのは、今作も“さすが『半沢直樹』!”という濃厚な作りは健在で、とても面白かったです。銀行(証券会社)を舞台にした作品ならではの緊張感は前作そのまま、むしろ進化したと感じる場面もありました。ただ、前作から7年というブランクがあり、初回の第1話とあって、ちょっと気になるシーンもあったので、挙げていきたいと思います」

(※本記事は以下『半沢直樹』の第1話に関するネタバレを含みます。これからご覧になる予定のある方はご注意ください)

「まず、1話でのキーとなる市川猿之助(44)が演じる伊佐山泰二です。彼は、香川照之(54)が演じている大和田暁に忠実な部下でした。自身が慕っている大和田が頭取になれば、役員になれると考えていたようですが、前作で大和田が半沢に不正を暴かれてしまったため、その計画も崩壊。そのため、今作の冒頭で“あいつ(半沢)のせいで、あの土下座のせいで、何もかもがぶち壊しだ!”“半沢だけは絶対に許さねぇ”と威勢よく言いたてます。

 しかし、SNS上でも、“どうしてあんなに半沢を恨んでるんだろう?”“あんだけ感情を表情に出すタイプは銀行では偉くなれないんじゃないか”といったコメントがありましたが、伊佐山の個人的な感情いきなり強調されてしまうのは唐突な感じもありますし、今ひとつ感情移入が難しいのではないか、と思いました。

 また、慕っていた大和田のための復讐劇が展開されるのであれば、冒頭の伊佐山の怒りも理解できるのですが、彼は早々に大和田を裏切って、古田新太(54)演じる三笠副頭取に乗り換えてしまいます。大和田を裏切った以上、半沢を潰す理由がわかりにくくなり、ネット上でも“伊佐山が半沢をいじめる理由がブレブレ”と疑問を抱く声もありましたね」(前同)

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