■一番好きなことだから、40年も続けている

『哀愁でいと』も『抱きしめてTONIGHT』も、当時の振りのまま、今でも歌っています。生のステージで歌って踊ることこそが我が人生。逆に言えば、それしかない。それが一番好きなことだから、40年も続けているんです。 

 今はサブスクも含めて、昔の音楽と最新の音楽が同じように楽しめる時代。この前なんて、ファンクラブ担当の女性が「トシさん、女子高生がファンクラブに入りましたよ」って。僕の昔の映像をネットで観てくれたのか、なんかのきっかけで興味を持ってくれたんでしょうね。

 その高校生が、もしライブに来てくれたら、ガッカリさせたくないじゃないですか。もちろん、その子だけじゃなくて、8000円も払ってライブに来てくれた人全員に、「楽しかった」「また、観に来よう」って思ってもらえるだけのパフォーマンスを提供するのが僕の仕事なんです。

 今は男性のお客さんも3割ぐらいはいます。昔は照れ臭くて来られなかった人が、年をとって観に来てくれる。これはうれしいことですね。

 自分でも信じられませんが、来年で僕は60歳です。手本にしていたマイケル・ジャクソンは僕の2つ上ですが、亡くなって10年。僕はもう、マイケルより長く生きている。だから、自分の中では、60代というのは未知の世界で、不安な部分もあります。

 ただ、今は歌えるし、踊りもできる。まだまだ行けるという気力もある。いつ声をかけられても、飛び出せるようにはしています。

 今回リリースした新曲のタイトルは、『愛は愛で愛だ』。みんなが下を向きがちな、人と人がつながりづらいこのご時世にあって、ポジティブでストレートな愛のメッセージをハデな振りつけで歌っています。これもまた、「自分の役割」なんだろうなって思います。

 デビューから、シングル曲が38作連続でオリコントップ10内にランクインしましたが、その後は10位以内の曲はありません。やっぱり欲しいものはヒット曲。そのために毎年がチャレンジのつもりです。

 僕もいつか、今までできたことができない日が来るかもしれない。だから、1回1回が勝負だと思ってベストを尽くしていきたいですね。

田原俊彦(たはら・としひこ)
1961年、山梨県出身。1979年、学園ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で共演した近藤真彦、野村義男とともに「たのきんトリオ」として人気沸騰。1980年に『哀愁でいと』でソロ歌手デビュー。80年代を代表する男性アイドルとして数々のヒット曲を残す。俳優としても『教師びんびん物語』(フジテレビ系)など主演作多数。91年にジャニーズ事務所から独立。現在も歌って踊るエンターテイナーとして活躍中。

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