■男女の立場は逆だが、恋の結論は同じ
もちろん、完全に一致しているわけではない。そもそもキャラクター設定からして、『逃げ恥』と『わたナギ』は大きく異なるという。
「多部が演じたメイは“仕事はできるけど、家事が致命的な女性”でした。一方で、新垣の演じたみくりは物語冒頭では派遣切りされていましたが、家事は完ぺきで、契約結婚のキッカケも“家政婦”として平匡の家で仕事していたのがキッカケです。
男性サイドも、星野の平匡は女性経験ゼロなうえ、人付き合いがヘタなタイプ。一方で大森のナギサさんは、懐が広く、メイの愚痴も受け入れるし、メイの母親を説得することもできる、人間性はかなり高い人物でした。主役の男女のキャラが真逆なんですよ」
一方で、共通点としては、物語に悪人がいないことと、2人の恋の終着点の描き方だという。
「途中で瀬戸康史と三角関係のような展開になることはありましたが、ギスギスせずに潔く身を引いた。『逃げ恥』も『わたナギ』も、一昔前の恋愛モノによくある“陰湿なお局さま”や“性悪なライバル”がいないんですよ。
恋愛の結末も、多部が“お互いに足りないことを補えばいい”と大森を説得しましたが、『逃げ恥』でも星野は新垣に、“無理なときは時間をおいたり、だましだましでもなんとかやっていけないでしょうか。やってやれないことはないじゃないでしょうか”と、やはり“2人で欠点も受け入れながら進もう”という結論でしたね」
『わたナギ』特別編では、結婚から1か月が経ったある日、少しずつ蓄積されてきたうっぷんが爆発してしまい、初の夫婦ケンカに発展してしまうと予告されている。
それにしても、高校生の同級生で、3年間一緒にお弁当を食べていた親友の多部未華子と新垣結衣。同じ枠に主演して、こうして話題になること自体が、奇跡のようなことかもしれない。