■三浦春馬さんと松岡茉優は名コンビ

 ファイナンシャルプランナーの早乙女を演じる三浦翔平(32)は、『M-愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)のマサ役で振り切った演技を見せ、違うゾーンに行ってしまうのではないかと勝手に心配もしていたが、余計なお世話だった。今回、ちゃんと現世の演技(?)に戻っていてホッとした。

 そして、7月に亡くなった三浦春馬さん。お金にルーズな御曹司・猿渡慶太のキュートなことよ! 10代ぐらいに思えるほどピュア、人間的にガツガツしたところのない「愛され坊ちゃん演技」が素晴らしい。ちゃんと寂しがるし、ちゃんと甘える。松岡のしっかり者感が、より三浦さんの笑顔の無邪気さを引き立たせていた。なるほど、名凸凹コンビである。

 生活苦で交通費などをごまかしていた板垣に対して、クシャッとした笑顔で板垣の膝に手を置き「分かんねえよ。俺とは違うんだから。エースなんだから。期待されてるんだから。かっこよくいてくれよ」というシーンは、猿渡慶太の「欲しくてもどうしても手に入らないもの」を余すところなく伝えた名シーンである。

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