森川葵
森川葵

テレビの中の女たちvol.8 森川葵

 NGなしを謳う女性タレントが増えている。パンストを被ったり、落とし穴に落ちたり、虫を食べたり、ローション滑り台にチャレンジしたり。朝日奈央鈴木奈々藤田ニコル西野未姫などが代表的な存在だろうか。バラエティ番組で若い女性芸能人に何か無茶なことをやらせる、というのはずっと以前からあった流れのようには思うけれど、その”無茶なこと”のハードルが以前より上がっているようには感じる。

 彼女たちは”努力”をアピールする。売れない時代から泥水をすすって這い上がってきたプロセスを語る。同世代の女性タレントの中から自分が選ばれるにはプライドを捨てるしかないのだと力説する。そして、パイを投げつけられた顔や、鼻フックをした顔をカメラの前にさらす。

 その頑張りやプロ意識のようなものにはときに感服するし、笑ったりもする。努力する人に茶々を入れるなんて人でなしのすることで、人でなしとは思われたくはないから、ひとまず応援したくもなる。ただ、見ていてキツくなることもある。必要以上に無理してない?と思ってしまう。「若い女のコが鼻フックで歪んだ顔をさらすこと」を面白がってしまう自分の感覚に、しんどくなることもある。

 そんな中、ちょっと変わったベクトルでの活躍を見せていたのが、29日の『それって!?実際どうなの課』(日本テレビ系)の森川葵だ。雑誌『Popteen』(角川春樹事務所)のモデルとしてデビューし、現在は主に俳優として活躍している森川。コメディ寄りの学園ドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)から、社会派ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)まで幅広い作品に出演し、演技力には定評がある。

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