与田祐希・伊藤理々杏の個人PVに見る「乃木坂46個人PV」の型と構造【乃木坂46「個人PVという実験場」第8回 2/4】の画像
※与田祐希/画像は本サイトの記事(https://exweb.jp/articles/-/62815)より抜粋

乃木坂46「個人PVという実験場」

第8回 3期生にとっての個人PV 2/4

■オリジナル楽曲で構成されるタイプの個人PV

 17枚目シングル『インフルエンサー』で制作された3期メンバー初の個人PVにうかがえたのは、「乃木坂46に加入すること=自らの個人PVをもつこと」を前提として踏まえ、それを映像内にメタ的に読み込んだ作品が生み出されるさまだった。前回更新分(/articles/-/80449)でみた梅澤美波久保史緒里の個人PVは、まさにその代表例といえる。

 頃安祐良が監督を務めた久保の個人PV「個人PVについて私が知っている五、六の事柄」においては、“個人PV的”な特徴を列挙しながら、作品中に特有の仕方で織り込んでいる。

 そのような俯瞰した作りが物語るのは、『インフルエンサー』制作時点で総数300作品をゆうに超えていた乃木坂46の個人PV/ペアPVが、グループの代表的な映像コンテンツとしての歴史を重ね、すでにいくつもの定番スタイルを確立していたということだ。

 だからこそ、それら個人PVの「型」のようなものをあえて指し示す方法そのものが、ひとつのスタイルになりえた。

 3期生初の個人PV群のうち、そうした「型」の一パターンを素直に踏襲しているのが、月田茂が監督を務めた与田祐希の個人PV「おねがい世界」である。

https://www.youtube.com/watch?v=MvyFvJRPJ60
(※与田祐希個人PV「おねがい世界」予告編)

 この作品は、ショートドラマ型と並んで乃木坂46の個人PVにしばしば登場する、オリジナルの楽曲を中心に構成されるタイプに該当する。

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