振付師・FUMIHITOが感じた「探究心が湧くユニット曲の魅力」乃木坂46ユニットの魅力を語ろう!の画像
白石麻衣

『孤独兄弟』から 『遥かなるブータン』まで、多種多様な乃木坂46のユニット曲を手掛けてきた振付師・FUMIHITO。楽曲の方向性とマッチさせるために、時には「シュール」を追求し、時には「ブータン」を調べまくる。既成概念に捉われない、アイドルの枠をも越える振り付けを生み出してきた中で感じた乃木坂46のユニット曲の魅力と、乃木坂46というグループに対する思いを聞いた。

――乃木坂46で最初に振り付けした曲が『孤独兄弟』(白石麻衣橋本奈々未)だったんですよね。

 MVを監督した池田一真さんから指名されて、麻衣ちゃんと奈々未ちゃんのダンスバトルの振りを付けたんです。2人の振り覚えが早くて驚いたことを覚えています。柔らかい見た目だから、踊れるイメージがなかったんです。思わず拍手しましたよ(笑)。その後、『ポピパッパパー』の振り付けをお願いされて。今度は「ファッション要素を強くしたい」と言われたので、振りにウォーキングを入れたんです。ファッションは得意分野でしたから。

――ユニット曲と全体曲で振りの違いはあるのでしょうか?

 大人数だと斜めに動いたりテンポをずらして動いたり、「移動」で見せることができるけど、ユニットの場合はそうはいかないので、よりダンスを見せることを意識しています。

――からあげ姉妹(生田絵梨花松村沙友理)の『無表情』は、それまでとは違うテイストでした。

 この時は「シュールにしてほしい」と言われて。それまでカッコいい振りが多かったので、一番弟子のAcchan (松岡篤志)とシュールを研究しました。それでヴォーギングをさせたり、「いいのかな?」と思いつつガニ股を足してみたんです。アイドルはガニ股をしてもかわいくなるんですね(笑)。勉強になりました。

――若様軍団(若月佑美山下美月梅澤美波阪口珠美)の『失恋お掃除人』やさゆりんご軍団の『さゆりんご募集中』もコミカルな振りですよね。

 若様軍団はお箸担当とかフォーク担当がいると聞いて、楽しみながら作りました。ただ、MVの撮影現場が怖かった(笑)。心霊スポットで有名な建物だったんです。笑顔で撮影している若様軍団は肝が据わっているな、と思いました。『さゆりんご募集中』の振りは「やりすぎたんじゃないかな」と心配したんですけど、あとから1曲目の『白米様』を観て「もっとやってもよかったな」と思いました(笑)。

  1. 1
  2. 2