■桃子を取り巻く登場人物がみんないい人だ

 ドラマの1話は、登場人物を説明する必要があるため、説明セリフが多かったり、テロップを用いて名前や職業を見せることが少なくないが、『仕事の後に同僚みんなで飲みに行く』ことで上手く見せてきた。コロナ渦によって、多忙だったホームセンターで共に頑張ってきた仲間たちとの飲み会は、新年会以来。久しぶりということもあって、お互いの近況を伝え合うことで、視聴者も登場人物を知っていく。

 また、桃子が家族にテレビ電話をすることで、弟たちの紹介をしつつ安達家の仲の良い様子を伝えるという、自然な流れが秀逸だった。

 登場人物の全員が、ささやかな幸せを喜んだり目標のために頑張ったりしている、いわゆる一般的な日常を生きる人ばかり。穏やかで普通の幸せを望む人たちに、親近感を感じてしまう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3