■首の筋肉を温めることが重要

 肩凝りの恐ろしさは分かったが、いくら姿勢に気をつけるよう言われても、長年の癖を直すのは難しい。

「頚椎症を予防するには、首の筋肉を温めることが重要です。そこで、首や肩のしなやかさを取り戻すストレッチを考案しました。どれも簡単ですよ」(同)

 著書『頚椎症の名医が教える 竹谷内式首トレ』(徳間書店)から、代表的なものを紹介してもらおう。

「“首の後ろ側”ストレッチは、頭を支える筋肉のうち、首から肩にかけての肩甲拳筋と、背中の僧帽筋上部をほぐします。耳の後ろから肩にかけて伸ばすように心がけてください」(同)

 また、頚椎症になると、耳の前側から肩へと続く斜角筋もこわばっていることが多い。それには“首の前側”ストレッチが効果的だ。

「頭を後ろに傾けたとき、肩と鎖骨が上がらないように注意してください」(同)

 この2つを続けることで、首の筋肉が復活するという。

 だが、思わぬ要因が肩凝りを引き起こしていることもある。

「ストレスで交感神経が働くと、首の筋肉が緊張するんです」(同)

 肩や首の痛みで、うがいもできなかったAさん(40代女性)が、このケース。

「ストレスを感じやすいタイプで、無意識のうちに体がこわばっていたみたい。竹谷内先生から、首トレに加えて、毎日の生活に昼寝を取り入れるように言われました。だんだん“体の力を抜く”感覚が分かってきて、首のこわばりがなくなり、凝りや痛みも消えました」

 首の筋肉が柔らかくなったら、姿勢の改善に取り組もう。猫背には“胸の前側”ストレッチが効く。

「手の組み方は自由です。頭を後ろに反らして、胸をしっかり伸ばしましょう」(前出の竹谷内氏)

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