プロ野球2020年ドラフト“明暗残酷”セ・パ「天国と地獄」通信簿の画像
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 10月26日に開催されたプロ野球ドラフト会議。今年はコロナ禍の影響が懸念されたが、74人の選手にプロの門戸が開かれた。

「今年は甲子園はじめ、アマ野球の主要大会が軒並み中止で、どの球団も調査不足でした。結果的に高校生の1位指名は昨年の7人から3人へと半減。その分、かねてより“豊作”とされていた大学生に、人気が集中することになりました」(スポーツ紙デスク)

 そんな今年のドラフトの“天国と地獄”を、セ・パ球団別に見ていこう。

 投打の“目玉”だった早大・早川隆久と近大・佐藤輝明には、それぞれ4球団が競合する人気ぶり。クジを引き当てたのは、楽天と阪神だった。

「開幕ダッシュに成功した楽天が失速した原因は、投手陣のコマ不足でしたから、大学No.1左腕の早川に、2、3位でも左右の即戦力投手を獲得したのは大きい。石井一久GMが“141点”と胸を張ったように、効果的なドラフトだったと言えるでしょう」(前同)

 競合野手の獲得は1979年の岡田彰布以来という幸運に輝いた阪神だが、1位の佐藤以外は疑問符がつく。高校生のスター候補を並べた昨年の指名にロマンを感じた虎党からも、「一貫性がない」との声が。

「2位の伊藤将司(JR東日本)ら即戦力の補強は、投手陣の厚みを増すという意味でも理にかないますが、下位の内野手2人はいずれも左打ちで、今年台頭してきた高卒2年目の小幡竜平と似たタイプ。世代交代を進めている球団の戦略としては、疑問が残りますね」(スポーツ紙阪神担当記者)

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