前回に続いて、“お風呂のソムリエ”こと
松永武さんとの対談です。お風呂タイムを楽しくするバスグッズをはじめ、それぞれの心と体の状態に合った入浴法などを伝授してもらっていたところ、「水風呂を冷たいと感じているのは、まだ甘い」と言われてしまった私。いったい、どういうこと!?
松永「水風呂が冷たいと感じていること自体が、ストレスになっているんです」
ゆま「でも、心のリフレッシュには、温かいお風呂と冷たいお風呂に交互に入るのがいいんですよね?」
松永「はい。とはいえ、熱すぎるお風呂に入って“熱い”と感じて、今度は水風呂に浸つかって“寒い”と感じてしまっては、体に負担がかかっているんです。だからベストなのは、少し熱い湯、少しぬるいお湯を交互に繰り返して、じわじわと体を温めてから水風呂へ。すると、なんと水風呂が冷たいと感じなくなるんです」
ゆま「でも、それだと、めちゃくちゃ時間がかかりません?」
松永「そうですね。6時間ぐらい、お風呂に入っては出てを繰り返すことになります」
ゆま「ふへえ! さすがに銭湯に、そんな長い時間いたら、嫌がられそうです」
松永「確かに、時間制限がないとはいえ、銭湯だと難しいですね。長時間のお風呂には、健康ランドやスパ温泉などがオススメです」
ゆま「一日かけて、お風呂を楽しむんですね」
松永「はい。これを“休息浴”と呼びます。体が温まったら一度、お風呂を出て休む。そして汗が引いたら、またお風呂に入る。たまに、そういう時間を持つことで、日頃の疲れやストレスは解消されます」
ゆま「なるほど。ただ、わざわざ出かけてまで、お風呂に入らないって人も多いと思うんです。自宅のお風呂で、リフレッシュできる入浴法はありますか?」
松永「もちろんです。たとえば“胎児浴”がオススメです」
ゆま「胎児!?」
松永「はい。お母さんのお腹の中にいるような心地になれる入浴法で、やり方は簡単。まず、胎児のように丸まった姿勢になるんです。そこから耳まで、お湯の中に浸かるんですね」
ゆま「へえー。姿勢も楽だし、気持ちよさそう」
松永「はい。しかも、耳を浸けることで、トクトクトクと自分の心音まで聞こえてくるんです。これは癒やされますよ」
ゆま「いいですねー。赤ちゃんに戻った気分ですね」
松永「あと、肩凝こりや腰痛のある方は、お風呂ならではの“浮力”を利用する入浴法が効果的です。これもやり方は簡単で、まず、浴槽の縁に頭をつけて、体をお湯の中で浮かせてしまうんです」
ゆま「なんか、無重力状態ですね」
松永「はい。凝りや痛みがあるというのは、筋肉が固まっているからです。だから、お風呂に入っているときに、腰や肩の力を抜いてあげるんです。入浴することで血行が良くなるうえ、効果的に凝りが解消されるんです」