■高杉は17歳当時から「二面性」の演技が大絶賛

 一方の高杉も、『鎧武』の演技が、後の作品での立ち位置を決定づけたといえる。

「純粋に主人公を慕っていた初期から腹黒い二面性を見せていたんですが、話が進むにつれてどんどん主人公と関係が悪化し、理想を押し付ける兄に“最後は僕のために犠牲になってよ”と葬ったり(幸い生存した)、だいぶエキセントリック。最後は、結局何もかもを失ってボロボロに泣き崩れる、というキャラでした。ギリギリで一線は超えなかったため、後日談では贖罪に励み、本当の意味でヒーローとして活躍していますが、当時は狂気じみた演技が大好評でしたよ」(前出の特撮ライター)

 こうした二面性の使い分けや、あまりに哀れに取り乱す姿を見せる演技からなのか、高杉はその後、同じようなダーティな役も舞い込んでいる。

 15年の『ゴーストライター』(フジテレビ系)では、「頭脳明晰な少年だが、学校では教師のパソコンをハッキングして試験問題を漏洩するなど数々のトラブルを起こす高校生」、今年の『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)では、「実はテロ計画の黒幕で、主人公と狂気の笑みと涙でクライマックスを盛り上げる」

 という、重要な役を演じていたのだ。

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