プロが教える「冬に熟睡できる!」テッパン“布団の選び方&使い方”の画像
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 若い頃は、どれだけ寝ても寝足りなかったが、最近は年を取ったせいか、寝つきが悪いし、眠りも浅い……。そんな悩みを抱えている読者諸兄も、実は多いのではないだろうか。

「医学的には入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒など、睡眠に関する問題が1か月続いて、何かしらの不調が引き起こされている状態ならば、“不眠症”とされます。厚生労働省の調査によれば、日本人成人のおよそ20%、つまり5人に1人が慢性的な不眠に悩んでいます。特に50代では、2012年から18年の6年間で、悩む人が約18%から27%と10%も増えているんです」(医療ライター)

 睡眠と健康の関係に詳しい、『高円寺整形外科』の大村文敏院長は、こう言う。

「不眠が続くと、体の代謝などをサポートする成長ホルモンが寝ている間に分泌されにくくなり、さまざまな不調につながります」

 中高年の不眠の原因は加齢の他に、ストレスや頻尿などもあるが、見落とされがちなのが「布団など寝具の問題」だという。

「寝具を、その人にフィットしたオーダーメイドのものに替えただけで安眠できるようになったと、うちの患者さんにもそうした方が少なくありません」(前同)

 寒さに身が凍える冬は、1年で最も布団の役割が大きい季節。そこで本誌の徹底取材で判明した、“安眠できる布団の選び方&使い方”を伝授していこう。まず、快適な眠りを得るために知っておきたいのが、「寝返り」と「体温」の重要性だ。

「人は、睡眠中に20回ほど寝返りをうちます。こうすることで、浅い眠りと深い眠りを繰り返す睡眠サイクルを整えているんです。また、睡眠中、人は体温が下がります。特に深い眠りの中にいると、目が覚めているときより1.5度ほど体温が低くなります。つまり、冬だからといって布団の中が温かすぎると、熟睡できなくなるんです」(前出の医療ライター)

 この2点を押さえたうえで、冬の寝床づくりで、まず実践したいのが「毛布を下に敷いて寝て、体を覆うのは掛け布団だけにする」(前出の大村氏)ことだ。通常、毛布の上に掛け布団を重ねる。だが、これでは布団の重さで寝返りがうまく打てず、また体も過度に温められてしまうという。

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