もしかすると、二度と見ることのできない三冠馬3頭による夢の対決、レース史上、2000年以降では、最高の売り上げを記録したジャパンCは、1着アーモンドアイ、2着コントレイル、3着デアリングタクトと、人気順通りの決着となりました。

 この歴史的なシーンに立ち会ったのは、抽選でプラチナチケットを手にした4384人の皆さん。コロナ禍じゃなければ、115万人を超えるファンで埋まったんだろうなと思うと、ちょっと残念な気もしますが、テレビの向こうで見つめる熱い視線は、僕らジョッキーにも、全力を尽くした馬たちにも、しっかりと届いていました。

 有終の美を飾ったアーモンドアイは、この勝利で前人未到の九冠を達成。18年のジャパンCの走りを見て、「すごい馬だとは思っていたけど、あそこまで強いとは……」と半ばあきれ、「今、世界で、あの馬より強い馬はいるのかな?」と、ため息をこぼしたのを思い出します。馬場条件としては、今回はさらに、その上――スタミナ、センス、瞬発力と、競走馬としての能力をすべて問われての結果ですから、「勝って、空気を読めない男と呼ばれたい」と、ひそかに一発を狙っていた僕は、ただただ脱帽です。

――潔く負けを認める? そうですね。デビュー戦から、ほぼ一人でアーモンドアイに乗り続けたクリストフが羨ましいし、悔しくもありますが、仲間の一人としては、やっぱり“おめでとう”です。

 とはいえ、約1年ぶりの実戦となったワールドプレミアの走りにも、手応えを感じています。イレ込むところは相変わらずでしたが、内容はまずまず。一度叩かれたことで、次走はもっとよくなるし、コントレイルやデアリングタクトとも十二分に戦えるはずです。

 さぁ、それでは、今週の競馬です。12月13日のメインは、最強の2歳牝馬決定戦、G1阪神JF。僕のパートナーは、ここまで3戦3勝。小倉2歳SとファンタジーSで2つの重賞ウィナー、メイケイエールです。スピードと、能力の高さはピカイチ。彼女の課題は、一にも、二にも、三にも、四にも、折り合いです。一度スイッチが入ったら、もう止まらない――そこをグッと我慢できたら、負ける要素はありません。

 

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