中村倫也、起死回生の涙目熱演!視聴率急上昇『恋あた』で魅せた「プロの流儀」の画像
中村倫也

 恋愛ドラマ史上、これほどまでに“応援されないヒーロー”がいただろうか。

 切れ者だが、自他問わず心の機微というものに鈍感で、無自覚に周囲の人々を傷つけていることにまるで気づかない。仕事では、自ら作った敵によって社長職を追われ、いつしかコンビニバイトへ。恋愛でも、元カノとふらふらヨリを戻したかと思えば、他のオンナ(ヒロイン)に気持ちが移っていることを当の彼女から指摘される始末で、普通ヒーローならば備えているはずの“一途さ”という武器すら持っていない。

 これが、これまで『この恋あたためますか』(TBS系)で描かれてきた浅羽拓実という男だ。演ずるのは、ゆるふわ、チンピラ、モラハラ、メンヘラ製造機……何でもござれのカメレオン俳優・中村倫也(33)だが、この浅羽というキャラクターは、そんな中村をもってしても魅力的に見せるのは難しいのではないか? と感じるほど、視聴者の共感を得にくい“残念な男”として描かれてきた。

 案の定、回を重ねるごとに浅羽は「罪な男すぎる」「リアルにいたらただのクズ」と評価を落としていき、森七菜(19)演じるヒロイン・樹木に一途に思いを寄せる“まこっちゃん”こと新谷(仲野太賀/27)推しの声が増加。仲野の感情豊かな表現力もあいまって、本来であれば、魅力的だが何かが足りない「当て馬」ポジションであるはずの新谷の株が、ヒーローポジションの浅羽よりも上がり続けるという逆転現象が続いた。

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