
朗読詩人 成宮アイコ エッセイ
「愛せない日常と夜中のイヤホンで流れるアイドル」
朗読詩人の彼女が、大好きなアイドルのことと、なかなか好きになれない自分と生活のことを綴る連載。久々の更新となる第8回は、ポケットから出てきたボールペンと、とあるアイドルとの関係についてです。
■アイドルすらほぼ聴けなくなってしまったコロナ鬱
去年の冬、持病の鬱がむくむくと顔をだしはじめ、持ち直したと思ったところにコロナ渦が鬱第二波として来襲。これまでは、鬱のときほどよりメンタルに優しくて有効的だったアイドルすらほぼ聴けなくなってしまい、すっかり気力を失なって暮らしていました。それが、最近までのことです。
先日、衣替えをするために冬のコートを整理していたら、ポケットからきみどり色のボールペンが出てきました。こんなところにボールペンなんて入れたっけ……? そして、去年のいまごろの自分自身を思い出しました。
そう、これは去年の冬にアイドルグループのRAYを見にいった日の帰り道に買ったものでした。