ただライブを見にいき、歌い、踊り、その姿を見せてもらっただけなのに、音楽は、こういうことができるからすごい。

 Wi-Fiもないのに再生をしつづけたままコンビニに入り、目に入ったきみどり色のボールペンを買いました。しばらく文章は書いていませんでしたが、気持ちを書き残したいという欲求が死んでいなかったのかもしれせん。だからと言ってなにかが始められるわけではないのですが、たった1曲、たった1本のボールペン、それがわたしを“大丈夫”に近づけました。

 文章が書けなくなったうえにツイートの140文字ですら打てない日が続いていたのですが、その日からボールペンで手書きメモをつけ、SNSにアップをしはじめました。

■“今日へ続いてきた呼吸の正しさ”を、わたしはまたアイドルのライブにゆだねたい

 生きていると、心にあったはずの希望には残念ながら有効期限があるのだと気づきます。

 信じたいと思ったことは途切れ、こんどこそと思っても手を離し、とてもじゃないけれど優しい気持ちではいられない日もあります。それでも生きていかなくてはいけない。人と人が干渉をしあい、社会と深夜のひとりの部屋を行き来しながら生きていかなくてはいけない。

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