その間もずっと、アイドルは新曲を出し、活動を続けます。アイドルがアイドルでいるには(そしてその活動をもっと広げるには)、ファンが必要。そして、アイドルを聴いて励まされて人生がすこしだけ動くわたしたちファンにも、アイドルが必要。どちらともが存在しなくてはいけないその相互関係はあやうく、そのぶんだけ美しく思います。

 わたしは、好きなアイドルが生きている姿を見ていたい。

 ポケットから出てきたきみどり色のボールペンで、付箋にうずまきを何個も書き続けました。インクはちゃんと出ます。ああ、わたしは去年の冬でたち止まっていたんだなと気づき、残っているインクはその証拠のようでちょっと笑えました。立ち止まってはいたが、わたしだってちゃんと生きている。

 2020年、春、緊急事態宣言が出されたころに発売されたRAYのアルバム『Pink』を聴き返しながら、明日はコンビニに同じシリーズのピンク色のボールペンを買いにいこうと思いました。その前に、いま、この文章を書いています。

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