■林寛子とお笑いコンビを組んで『キングオブコント』に
――はい。大場さんはアイドルとして“歌手”デビューされたんですね。
大場 そう。役者をやりたかったので、2年間だけという約束でアイドルをしていました。当時コマーシャルに出ていた私を、芸能関係の人が見て、歌を歌ってみないか、という話が舞い込んできたんです。
――歌うのは好きだったんですか?
大場 はい! レコーディングも楽しかったです。それに私を歌手デビューさせてくれたプロデューサーさんに言われた言葉が今も印象に残っています。“あなたは役者なんだから、メロディも大事だけど、歌詞を大切にしなさい”って。ただ歌うのではなく、歌の意味をちゃんと伝えるようにする。この教えは後に、女優として活動する中でも、本当にためになりました。
――その後、大林宣彦監督の『HOUSE』でファンタ役に抜擢されたんですね。
大場 大林監督からもたくさんのことを教わりましたね。とにかくワンカット、ワンカットを時間かけて大切に撮影される監督さんでしたね。たとえば、まばたき一つにまでこだわられるんです。
――すごい。そんな細かいところまでこだわりがあったんですね。
大場『HOUSE』よりも前の話ですが、松竹のカメラテストに行ったときも衝撃的でした。このカメラテストで、初めてカンコに出会ったんですよね。
――カンコ?
大場 堀越学園で同級生だった林寛子さんのこと(笑)。
――林寛子さんとは後にお笑いコンビも組んで、『キングオブコント2014』にも参戦されてましたが、その頃からのおつきあいなんですか。
大場 うふふ。で、このときのカメラテストは、私とカンコの2人だけ。彼女はさすが3歳から子役をやっているだけあって、演技力がすごかったんです。とにかく努力がすごいというか。カンコの姿を見て、私ももっと頑張らなきゃ、と衝撃を受けました。
――そんな大場さんはやがて“一億人の妹”と言うキャッチフレーズのもと、大ブレイクされましたね。
大場 はい。妹といっても“危なっかしい妹キャラ”でしたね。今だから言えるけど、レコーディングのときに、なるべく歌を上手く歌わないように、と言われていたんです。
――え? どうしてそんなことを?
大場 完璧すぎるとダメらしいんです。ちょっと危なっかしい感じがいいんだって(笑)。
――なるほど~。