今回の“あなたに会いたい”は、ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんです。丸山さんといえば、フィリピンにある“銃の密造村”など、世界各地の危険な場所を訪れて、いつ殺されてもおかしくない命がけのルポをされている“クレイジーな旅人”です。ただ、そんな丸山さんには意外な一面が……。
ゆま「今回は珍しく屋外での対談なんですけど……これ、何ですか? 穴だらけの山が見えますけど」
丸山「こちらは埼玉県吉見町にある“吉見百穴”です。ここ、古墳時代後期に造られた横穴群なんです」
ゆま「古墳時代って、何年ぐらい前なんですか?」
丸山「今から、だいたい1200年前ですね」
ゆま「そんなに前から! ……で、丸山さんが案内してくれるということは、ここは危険極まりない場所なんですね、きっと」
丸山「いやいや、ここは国の史跡にも指定されていて、歴史的にも非常に価値のある場所なんですよ」
ゆま「危なくないんですね。そもそも、丸山さんが遺跡好きなんて意外です!」
丸山「いやいや。こう見えて、学生時代は考古学を専攻していて、修士号も持っているんです。実はこのたび、『MASTERゴンザレスのクレイジー考古学』って本も出しました」
ゆま「ええ!? 考古学? そんなイメージはないな~。隠れた特技ですね!」
丸山「別に隠してはいなかったんですけどね(笑)。で、実は大学院の修士論文のテーマが、この“横穴”だったんです。専門で研究していたので、ぜひ、吉見百穴の魅力や、考古学の面白さを伝えたくて、今回、来てもらったんですよ」
ゆま「すごい。じゃあ、めっちゃ詳しいんですね」
丸山「任せてください。では、さっそく見ていきましょうか」
ゆま「よろしくお願いします。それにしても、穴だらけ。この穴は何のために造られた穴なんですか?」
丸山「何だと思います?」
ゆま「そうですね~。いろんな所から景色を眺めるため?」
丸山「う~む。なかなか面白い発想ですね。確かに100年ほど前までは、この穴が住居だったのではないかと考えられた時期もありました。ただ、そのわりには穴が小さくないですか?」
ゆま「確かに。男性だと狭いかも。じゃあ、女性限定のゲストハウスとか?」
丸山「ゆまちゃん、いい発想です。実際、当時は“コロポックルの住居説”を唱える学者もいました」
ゆま「コロポックル?」
丸山「北海道のアイヌ民族の伝説に出てくる小人のことですね。ただ、いろいろ調べていくうちに、この穴は“お墓”であることが分かってきたんです」
ゆま「お墓なんだ……」
丸山「穴の中も覗いてみてください」
ゆま「すごい。思ったよりも広い。3畳分ぐらいはありそう」
丸山「ここは“百穴”って名前だけど、実は219基の穴があるんです。穴の大きさも形も大小さまざま」
ゆま「まあ“穴”の形は十人十色ともいいますしね」
丸山「アハハ」
ゆま「すみません、お墓の前で下ネタを……(笑)」
丸山「まあ、造られた当時のことを想像を膨らませて推測するのが、考古学の醍だい醐ご味ですから、その想像力は素晴らしいです!」