■個人PVの設定が現実のものになっていく

 これらはまた、デビュー2年目でまだ演者として豊富なメディア経験を積む以前の彼女が、もしもさまざまなメディアでアイコンを演じるような存在だったとしたら――、という仮定のサクセスストーリーを想像させるものでもあった。

 だからこそ、のちに乃木坂46のセンターポジションを経験し、グループ自体もかつてイメージできなかったほどの有名性を獲得していく過程で、再度「CM」というコンセプトとリンクしてみせた2017年の個人PV「飛鳥マウス、街にあらわる」を「齋藤飛鳥 電波ジャック中」と重ね合わせるとき、そこには重層的な意味が生まれる。

https://www.youtube.com/watch?v=crWQVzDsrD8
(※齋藤飛鳥個人PV「飛鳥マウス、街にあらわる」フルバージョン)

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