■「変わらないくだらなさ」を維持できるのか
思えば、1度目の緊急事態宣言の際もテレビ局は、あの手この手を尽くした。
ドラマの撮影がストップしたことで、空いた枠を過去の人気作で埋めたが、結果的に若き日のKAT-TUN・亀梨和也(34)と山下智久(35)のドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)や、新垣結衣(32)の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)などの人気が再燃。『逃げ恥』に至っては、コロナ禍の現状をリアルに描いた新春SPまで制作されたのは記憶に新しい。
「バラエティ番組でも、リモートが大成功した事例としては20年5月6・13日放送の『家ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)が挙げられます。本来は一般人の家にお邪魔する番組なんですが、開き直って“視聴者に撮影してもらった動画を送ってもらう”というシステムでしのいだところ、逆にこれまではあり得なかったフィンランドやアメリカ、中国の家を放送することに成功したんです」(前出の女性誌記者)
テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーは、20年5月9日に『朝日新聞デジタル』で、
「できるだけ通常放送に近いようなものを視聴者の方が求めている感じもするんですよ。変わらない放送を心がけたほうが、色んな人の心の癒やしになってる感じもするんですよね。今、リモートだからあえて攻めてこうやりましたっていうものを、視聴者の方が望んでいるとも思えない」
としたうえで、バラエティ番組は「変わらないくだらなさをやることが必要」と姿勢を明かしている。
いつ収束するか、いまだ先の見えないコロナウイルス。はたしてテレビ局は、この難局を乗り越えられるのかーー。