■今、視聴者が求めている番組とは?
「フジテレビでは明確に、コア層に向けた番組作りを推し進めています。テレビ朝日も定例会見で“特に変える点はありません”と言っていましたが、『ニュースそうだったのか!!』と『林修の今でしょ!講座』を打ち切りが検討されているという話は、間違いなくコア層を意識してのことでしょう。
池上さんや林先生の番組は、楽しみながら知識が身につく教育系バラエティ番組といった内容ですが、こういったジャンルの番組はどうしても視聴者の年齢層が高くなる。コア層を重視して、広告が入りやすい若者に訴求できる番組を求める現状の地上波テレビでは、端的に言うと、“求められていないジャンル”になってしまうんです」(前出の制作会社関係者)
2つ目の要因だと言われているのが、新型コロナウイルスの影響だという。
前出の制作会社関係者は言う。
「深刻なコロナ禍で今、視聴者の多くが疲弊しています。ニュースだけでなく、ワイドショーや情報番組でもネガティブな話題ばかりの中で、池上さんや林先生が出演する教育系の番組が苦戦していると。その分析として出ているのは、バラエティ番組を見ようという視聴者は今、難しいことを考えたくない、複雑なことで頭を悩ませたくない、という状態なのではということ。
一方、今人気なのが、何も考えずに見られるバラエティ番組。年末年始もネタ番組やコント番組が数多く放送されましたが、それは、視聴者が今、単純な笑い、面白さを求めているからなのではと見られています。
多くの人が日々、“今日の感染者数が何人だった”、“緊急事態宣言が発令された街の様子は”といった情報にさらされ、緊張状態で生きている。“だったらテレビぐらいは何も考えずに見たい”という心理になるのもうなずけます。池上さんのためになる解説より、有吉弘行さん(46)の『有吉の壁』(日本テレビ系)を見て大笑いしたい、ということでしょう」
数年前まで教育系バラエティ番組は、高い視聴率が期待できる“テッパン”のコンテンツだと言われていたのだが……。
「それがここにきて、そのジャンルを代表する池上さんと林先生の番組が終了する方向だとささやかれるのは、民放各局の評価基準が変わったのと、コロナ禍のご時勢が原因。今後は何も考えずに楽しめるお笑い系のバラエティ番組、それも若者に訴求力の高い第7世代の芸人をメインにした番組が、より増えていきそうですね……」(前同)
誰もが無料で見られる地上波テレビには、画一的ではなく、さまざまなジャンルのコンテンツがあってほしいものだが……。