武田梨奈
武田梨奈

アイドル食堂・第54回 安楽亭

■瓦割りで知名度を上げた「空手黒帯」武田梨奈の焼肉愛

 アイドルだってメシを食う。当たり前の話、肉体が資本だからだ。その前提でしばし考える。日本にいるようでいないのがアクション女優だと。入口が活劇でも、みんな早々に卒業し、体を酷使した過去は遠い昔とされる。バトル満載の映画『TOKYO TRIBE』で世に出た清野菜名でさえ、「アクション女優の肩書きがすごく嫌な時期が長くあった」と、『今日から俺は!! 劇場版』でのインタビューで語っている。

 それだけ日本ではアクションが低く見られる。真田広之だって、性格俳優として認められたからこそハリウッドに挑んだ。その姉弟子の志穂美悦子は、進退について思い惑う時期に、長渕剛との結婚をあっさり決めてしまった。大げさでなく、その判断は国家的損失だった。というのも直後に、香港やハリウッドではアクション女優の時代が到来したからだ。

 ジャッキー・チェン門下のミシェル・ヨーは当然とし、シャーリーズ・セロンやアンジェリーナ・ジョリーミラ・ジョヴォヴィッチですらアクションに舵を切った。今世紀に入っての「女性上位」は、男を相手に互角かそれ以上に闘う、そんなヒロインが体現していた。従来のキャットファイト(女性同士の格闘)では話にならない。あれは単なる見世物だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5