──徐々に包囲網が狭まっていきますね。
でもやっぱり、これやっちゃったらアナウンサーとしてだけじゃなくて、人間としてダメじゃんと思って葛藤がありました。そんな私の葛藤を無視して、周りは「行け、行け!」という目で見てくるんですよ!
──そして、ついに……。
「もうこれは行くしかないな!」と思って。その場はスタジオの熱を冷まさせないために、スギちゃんの顔を平手で殴ったんですよ。そしたらすごい笑いが起こって、その場は終了したんですけどね。でも、さすがにそのシーンはオンエアされないだろうと思ってたんですよ、コンプライアンス的に。そしたら見事にオンエアされまして(笑)。
──オンエア後の反響はどうでしたか?
もう、視聴者センターにめっちゃ苦情が来ました。中京テレビってやさしいから、わざわざそういう具体的な苦情について女子アナに言ってこないんですよ。でも、私を心配してくれた仲のいい視聴者センター担当者が「こういうクレームが来てるよ」と教えてくれて。それを知って私は泣きそうになっちゃって、「あのとき、どうすればよかったんだろう?」と考え込んで。
──バラエティの裏ではそんな葛藤があったんですか。
でも、あの場ではスギちゃんもオードリーの2人も私のビンタを待ってるし、だから手を出すのが正解だと思ったんです。それでも、私は編集でプロデューサーがカットするべきだと思ってたんです。それで怒ってプロデューサーに文句を言いに行ったんですよ。
(取材・文 舩山貴之)
PROFILE
いちのせ ひとみ
1984年12月25日生まれ、新潟県出身。横浜国立大学経済学部卒業後、新潟総合テレビ、中京テレビでの局アナを経てフリー。
フリーアナ市野瀬瞳 独占告白
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