もちろん、俳優としての活躍も近年特に目立つ。現在放送中の『知ってるワイフ』(フジテレビ系)でも、過去にタイムスリップした主人公の妻役を好演。コミカルな変顔、刺々しく怒る妻の顔、疲れた専業主婦の顔、機転の効くビジネスパーソンとしての顔、天真爛漫な恋人としての笑顔。さまざまな顔をそれぞれ説得力をもって演じ分けている。

 そんな彼女について、脚本家の三谷幸喜がこんなエピソードを披露したことがある。三谷が作・演出した舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』。ある日の公演でハプニングが起こった。出演者が舞台上でトランプをするシーン。話の流れ上、誰にどのカードを配るかは決まっており事前にセッティングされていたのだが、何かの手違いでまったく異なるカードが配られてしまったらしい。こうなると話が進まない。

 すると、出演者の1人だった広瀬が「もう1回やろう」と言って仕切り直しに。ただ、それぞれに配る本当のカードを選び直すとなると時間がかかる。その空いた時間を、何かで埋めなければならない。動いたのはやはり広瀬だった。

「広瀬さんがものまねショーみたいなのをアドリブで始めて。ローラさんとか、芦田愛菜さんとかいっぱいやってくれて」

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