■名シーンが生まれたきっかけは三浦さんのアレンジ

 また、三浦さんは20年4月に『好書好日』のインタビューで、役作りについて語っていました。まだ情報解禁前だったため、“ある歴史的人物”と名は伏せていたが、

「ある歴史的人物を演じる機会があったのですが、その方が学んだであろう『論語』を読んだんです。でも、初めにそちらを読むのは中々難しいなと思ったので、まずは渋沢栄一さんの『論語と算盤(そろばん)』を読みました。役作りにおけるヒントが色々と散りばめられていた気がして、すごく参考にさせてもらいました」

 と、演技論を語っていたのだ。

「ちなみに映画で印象的な、五代が敵を斬らず、目力だけで圧倒して、自身のマゲを斬り落とす場面は、三浦さんのアイデアで生まれたそうです。本来は、敵と斬り合ってから五代がマゲを斬る場面だったのを、三浦さんは“五代さんはどんなことがあっても仲間を切ろうとしないと思うから、斬り合いがしっくりこない”として変更したと、12月10日の『シネマトゥデイ』で田中監督は明かしています」(前出の映画ライター)

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