バリバリのメジャーリーガー、田中将大投手が、日本に帰ってきました。ヤンキース在籍7年での成績は、78勝46敗。防御率3.74。2020年の年俸は、なんと2300万ドル、日本円で23億円を超える超破格の金額で、実績や報酬などを含め、すべてのアスリートが目指すべき、高みにいる選手です。

 この田中選手のもう一つの顔は、16年に有馬記念のアンバサダーを務めるなど、競馬好きで知られていること。そのご縁もあって、僕も、これまでに何度かお会いしていますが、彼との最高の思い出は、ヤンキースタジアムを案内してもらったことです。

 忘れもしません。あれは、06年6月のことです。僕はラニをパートナーに、アメリカ三冠の最終戦、ベルモントSに参戦するために渡米。それを知った田中投手が、ヤンキースタジアムに招待してくれたんです。日程の関係で、マウンドに立っている姿を見られなかったのは少し残念でしたが、スタジアムに足を踏み入れた瞬間、気持ちがピリッと引き締まり、心臓がトクンと一つ飛び跳ねたのを覚えています。

 その年の暮れには、JRAが運営する、競馬ビギナーに競馬の面白さを紹介するサイト『Umabi』上で対談もしています。このときのテーマは、『勝って当たり前の辛さ』『敗戦から学んだこと』『世界との戦い』『“神”騎乗』『有馬記念』の5つ。中でも、すごく印象に残っているのは『敗戦から学んだこと』で、僕がディープインパクトとともに挑んだ凱旋門賞について語ると、田中投手は24勝0敗という完璧な成績を収めた13年の日本シリーズ第6戦で、逆転負けを喫した試合のことを挙げたことです。どちらも、同じ負け。でも、田中投手は敗戦から学んだことを糧に、第7戦のマウンドに立ち、見事、日本一を成し遂げたのに対し、僕はまだ、このときの借りを返せていません。この差は、大きいですよね。

 こと野球に関して言うと、僕は生粋の阪神ファン。阪神に優勝してほしいと毎年、願っています。ただ、個人的に親しくさせてもらっている選手は別扱いで、心の中では、いつも応援しています。今年、間違いなく日本中を熱くさせてくれる田中投手に負けないように、僕も頑張ります。

 今週末の重賞競走は、G2京都記念。パートナーは初コンビとなるワグネリアン。騎乗依頼をいただいたときには、思わず「おーっ!」という声が出てしまいました。18年の神戸新聞杯を最後に、勝利から遠ざかっていますが、なんと言ってもダービー馬です。このまま終わってしまうような馬ではありません。父はディープインパクト。母のミスアンコールにも騎乗経験があるし、祖母のブロードアピールとは、ガーネットSなどを制しています。大注目のワグネリアンが、どんな走りで、どんな結果を残してくれるのか? 楽しみしかありません。

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