■外国人選手の合流の遅れが巨人に奏功

 実は、コロナ禍による外国人選手の合流の遅れが、巨人に奏功しそうだという。

「緊急事態宣言が1か月延長されたことで、外国人の新規入国停止措置も延長される公算が高まりました。宣言解除(3月7日)直後に来日した場合も、2週間の隔離措置が義務づけられているため、オープン戦はおろか、開幕ギリギリの合流になる選手も少なくありません」(前出のデスク)

 事態を憂慮した原監督は、球界を代表して室伏広治スポーツ庁長官に緩和措置を要求したが、特例が認められるのは難しそうだという。

「セ・リーグ各球団とも、補強の目玉は外国人選手でした。ただ、キャンプやオープン戦を経ないと、調整不足や日本の野球に順応する時間が足りないため、実力が発揮できない可能性が高い。各球団とも、頭が痛いところでしょう」(前同)

 スモークとテームズという大砲を補強した巨人とて、これは同じだが、「巨人はスモーク、テームズの両外国人とも“当たれば儲けもの”くらいの位置づけ。決して、外国人頼みのチーム作りはしていませんよ」(前出の江本氏)と、他球団に勝る戦力の厚みが武器になるという。

「巨人は昨季途中で入団したウィーラー(34)や守護神のデラロサ(31)、160キロ超の剛速球で進境著しいビエイラ(28)らが、キャンプに間に合いますからね。その点も心強い」(スポーツ紙巨人担当記者)

 来日が遅れている外国人を除けば、昨オフはFAの目玉とされた中日の大野やヤクルトの山田哲人(28)が動かずに残留を決めたため、セ・リーグの他球団には目立った戦力の上積みがなかった。

「戦力アップに成功したのは、韓国リーグで昨季、最多勝に輝いたアルカンタラ(28)と、同じく韓国リーグで本塁打と打点の二冠王に輝いたロハス(30)を獲得した阪神くらい。阪神には、キャンプで、さっそく快音を響かせているドラ1のルーキー・佐藤輝明(21)もいますからね。ただ、アルカンタラとロハスは合流が遅れています。結局、昨季同様に巨人の優位は覆らないでしょう。巨人がペナントを独走しても、まったく不思議ではありません」(デスク)

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