■中沢のツンデレに注目
ところで、中沢が本気を見せてきたのが喜ばしい。奈未の編集経験が浅いことや、仕事の詰めが甘いことを、叱ったり皮肉りながらもちゃんと教えてくれる。頑張っている姿を遠くから近くから見守ってくれる、普通にいい先輩だ。でもまだ本気じゃないんだなって感じで、潤之介の存在が頭をよぎると気持ちにセーブがかかる。それでも気持ちに少しずつ変化が見られるようになってきていて、コンビニで自分の分と一緒に奈未の分も差し入れを買っていくまでに行動に出てきているのがいい。
残念なことに、デスクでおにぎりを食べている奈未に何も言わないで収めてしまうのだが、なんとも可愛らしいではないか。見た目では分からない優しさが逆に愛おしくて、奈未がデスクで眠る顔を見てほほえんだり、ショールを肩にかけてくれたりと、まさにツンデレの権化。見ていないところでめちゃくちゃ優しいのが女心をくすぐる。当の本人に伝わっていないのが痛いし、奈未を好きだという自覚がなさそうなところがまたいい。そして次週予告では、抑えていた気持ちを放つかのようにものすごいことを奈未に告げていた。
「俺ならお前のこと泣かせない」
仕事をきっちりこなす中沢が本気を出して来たらなかなか手強い上にしぶといだろう。どんなシチュエーションで出た台詞なのか楽しみだ。
（文・青石 爽）
『オー！マイ・ボス！恋は別冊で』は、大手出版社から新創刊される女性向けファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本。鈴木奈未（上白石萌音）は地方の田舎町で生まれ育ち、普通・人並み・安定を求める平凡な女性。ひょんなことからファッション雑誌の編集部で働くことになり、超ドＳ上司・宝来麗子（菜々緒）に振り回されたり、子犬系イケメンカメラマン・潤之介（玉森裕太）にキュンとしたりと、仕事に恋に悪戦苦闘しながらも成長していくお仕事＆ラブコメディードラマ。１月１２日から火曜日２２時、ＴＢＳ系で放送。
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