■ひたすら中沢に酔いしれた7話

 朝になり、奈未が旅館の外に出ると潤之介がいるという願ってもない状況に、あらためて気持ちを確かめ合って体を寄せ合う二人。身長差があるから奈未はかかとを上げてしがみつくように手を伸ばして、また潤之介が包むように抱き合う二人がとてもいい。と同時に、中沢の存在が気になって仕方がない。頼むから、今、来ないでほしい。この二人を見ないでほしい……。そんなささやかな願いを打ち砕くように、中沢が歩いてくる。

 もうね、仕事人だからしっかりブレスレットを見つけてくるわけです。一晩中、極寒で真っ暗な川沿いという絶望的な場所で、黒色のコードに三連の小さなリングが付いたアクセサリーを見つけるなんて奇跡みたいなことを成し遂げてしまう。

 抱き合う二人をしばし見つめ、ブレスレットを奈未の荷物の横にそっと置いて、自分の荷物だけ持って立ち去る中沢が切なすぎる。ブレスレットと一緒に残したのは、奈未への想い。奈未の口から告白の返答を聞くまでもなく、事実で知らされてしてしまうなんて酷すぎる。

 もう誰もが感じていることだが、中沢は『ドS先輩』などではなく何事にも真剣で真っ直ぐな人なのだ。めちゃくちゃ優しくて、好きな女に弱くて、照れくさいことが苦手でシャイなところがある。男らしい潔さがあって、隙に付け入るようなことはしないし、正々堂々と立ち向かう強さがある。

 旅館で何かあっても仕方ないといえる状況で、奈未と潤之介を傷つけたり、奈未の心に自分の存在を残すようなことはしなかったが、視聴者の心にはグッサリと傷をつけて痕跡を残したと言える。真夜中にバイクを走らせて奈未を探しに行く潤之介が霞むほどにいい男だった。

(文・青石 爽)

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』は、大手出版社から新創刊される女性向けファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本。鈴木奈未(上白石萌音)は地方の田舎町で生まれ育ち、普通・人並み・安定を求める平凡な女性。ひょんなことからファッション雑誌の編集部で働くことになり、超ドS上司・宝来麗子(菜々緒)に振り回されたり、子犬系イケメンカメラマン・潤之介(玉森裕太)にキュンとしたりと、仕事に恋に悪戦苦闘しながらも成長していくお仕事&ラブコメディードラマ。1月12日から火曜日22時、TBS系で放送。

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